パトロール中、救援要請の信号を受け現場に急行したソフィー。 それがディフェクティオとその主による罠とも知らずに・・・。  現場に到着したソフィーだったが、その星はどうやら無人の小惑星のようだった。 何かの間違いだっかと小惑星を後にしようとする。 しかし、ある物にソフィーの目が留まった。 見渡す限りに広がる荒野に不自然な建造物が一つ。円形闘技場のようなものだった。 上空から中を覗いてみると誰かが倒れていた。 「あれは・・・!?」 ソフィーは急いで闘技場内へと降り立つ。倒れていたのが誰かはわからなかったが、 その外見的特徴から明らかにソフィーと同類、光の国の乙女であるとわかった。 「大丈夫!?ここで何が・・・」 呼びかけながらその身体を抱き起こそうとする、がソフィーの手はその身体に 触れる事なくすり抜け、そして 「き・・・消えた・・・?」 ホログラム・・・でも、どうしてこんな・・・。 困惑するソフィーだったが、状況からすぐにある考えに思い至る。罠!? 「やっぱり、この手の罠にはあっさりかかってくれるのね。本当お人好し」 決闘者用のゲートの奥から響く声。そしてすぐに声の主が姿を現す。 いや、ソフィーには姿を見ずとも声の主の正体はわかっていた。 「ディフェクティオ・・・」 ソフィーの表情が険しくなる。それもそのはず、ディフェクティオとは これまで何度も顔を合わせ対立してきた。なんとか退けたこともあったが、 その度にソフィーは甚大なダメージを負わされ、ほとんどの場合 痛めつけられ、あらゆる手段で苦しめた挙句命を奪う事なく去っていった。    罠と知ってこの場にとどまる理由はない。宿敵を視界にとらえながらも、 まずは闘技場の外へ出ようと飛び立つ。 「ふふ、もう遅いわ」 言いながら、パチン、とディフェクティオが指を鳴らすと、 闘技場がドーム状の光に包み込みこまれる。そしてその中央には地面から 四隅に巨大な柱がそびえる、広々とした正方形の石畳が出現する。 かまわず脱出しようとするソフィーだったが、闘技場を覆った光の壁にぶつかり 行く手を阻まれた。 「なに、これ!?」 光の壁は硬いわけではなかったが叩き割ろうと拳を叩き付けてもまるで手応えがない。 そして、触れればこの壁が自分の全力を振り絞ってエネルギーをぶつけても 壊れないであろうことは想像できた。 「残念、もう私の許可なくここから出る事はできないわよ。 中からは勿論、外からはこの闘技場を視認する事すらできない。つまり・・・」 狙っていた獲物が期待通り罠にかかったことにディフェクティオの表情が 満面の、だがこの上なく邪悪な笑みに歪む。 脱出は不可能。仲間の援護も期待できない。 やるしかない。 あのディフェクティオが用意したフィールドだ。どんな仕掛けがあるかわからない。 それでもここで、独力で戦うしかない。